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週刊エコノミスト Online 書評

『北海道社会の課題とその解決』 評者・服部茂幸

編者 小樽商科大学地域経済研究部 ナカニシヤ出版 2500円

積極的な地域研究継続 地元大学の研究成果が結実

 地方経済の衰退が止まらない。政府が地域全体のブランド化などローカル・アベノミクスの取り組みを進める中、大学(特に地方の国公立大)が地元経済についての研究拠点となることが期待されている。しかし、大学が期待に応えているとは必ずしも言えないだろう。そうした中、地元北海道の経済研究を積極的に行ってきたのが、小樽商科大学である。本書もその成果の一つだ。

 第1章では、北海道の工業化の可能性を扱う。大局的に見れば、首都東京とその周辺を例外として、製造業の力が弱い地域が衰退著しい地域となっている。その意味で、脱工業化が進むとされる現在でも、地域経済にとって製造業は重要と言える。

残り817文字(全文1155文字)

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