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週刊エコノミスト Online 不動産コンサル長嶋修の一棟両断

羽田増便で高級住宅地に響くごう音/7

 東京五輪までに羽田空港に新しい飛行ルートが設けられる見込みだ。従来の東京湾上空から羽田に着陸するルートに加え、新たに都心上空ルートが運用される。都心の閑静な高級住宅街上空を飛行機が航行することになり、麻布、青山、代官山、白金台といった高級住宅街のマンション価格にも影響を与える恐れがある。

 新しい着陸ルートは、南風が吹いている15時から19時に限り、図のように東京23区を北西部から南東方向に縦断する。初台、渋谷、目黒、大井町を通過するA滑走路ルート(図のA)が1時間に13便。新宿、表参道、広尾、品川、大井ふ頭を通過するC滑走路ルート(図のC)が1時間に31便となる見込みだ。これによって1時間の発着回数は80回から90回へ増加。国際線の発着回数も1年当たり最大で3万9000回の増加と、現在の1・5倍以上に増やすことができるという。

 しかし問題は「騒音」。着陸の頻度はAとCの合計で1時間で44回にのぼる。およそ1分20秒に1回のペースで騒音を感じ続ける計算だ。15時から19時までの4時間で176回もの着陸による騒音を感じることになる。

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