伝統工芸に新風=田村有紀・七宝焼作家/754
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金・銀・銅などの金属素地に美しい色彩を施す七宝焼。SNS(交流サイト)を駆使するなど、伝統工芸の世界に若い感性で新風を吹き込んでいるのが、33歳の女性職人、「田村七宝工芸」(愛知県あま市)の田村有紀さんだ。
(聞き手=元川悦子・ジャーナリスト)
「計算された“美”で人をわくわくさせたい」
「8軒ある窯元で、跡継ぎは私だけ。でも任せてください。私が何とかしますから」
── 即位されたばかりの天皇、皇后両陛下が6月1日、令和初の地方公務で愛知県あま市の七宝町を訪れ、大きなニュースになりましたね。
田村 当日は町にも大勢の人が押し寄せ、大変なにぎわいでした。両親(四代目の父・丈雅(たけまさ)さんと母・太田美由紀さん)が、七宝焼の総合施設「あま市七宝焼アートヴィレッジ」でお迎えや実演を担当しました。両陛下は母の説明を熱心に聞いてくださり、楽しそうにされていたようです。多くの方に七宝焼を知ってもらえるいい機会になったと感じています。
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週刊エコノミスト
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