週刊エコノミスト Online闘論席

片山杜秀の闘論席

     

    テロの定義は難しいが、以下のように考えてみたい。何か小さなものが、何か大きなものに憎しみを抱いているけれど、正面から堂々と対抗できない。そこで小さなものは、用いられる暴力を最大化して奇襲的に使ってみる。

     権力が明らかに個人に集中し、もしもその個人を倒せれば世界がたちまち変わると考えやすかった時代には、個人を標的にしたテロがはやった。日本なら、井伊直弼(なおすけ)も大久保利通も伊藤博文も原敬(たかし)も、そろってテロの犠牲になった。

     しかし、世界が複雑になり、個人よりも組織が力を持つと考えられると、襲撃対象も変わる。1974年の三菱重工爆破、84年の自民党本部放火、87年から90年にかけて朝日新聞が狙われた赤報隊事件などが思い浮かぶ。

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