国際・政治世界景気の終わり

米国経済 “投資家資本主義”の行く末 資本市場の虜になったFRB=河野龍太郎

     米中貿易戦争の激化で、世界経済を巡る不確実性は大きく、景気をサポートすべく米連邦準備制度理事会(FRB)が予防的な金融緩和を続けると資産市場では広く予想されている。しかし、以前なら、現在のような状況では金融緩和は決して行われなかった。不確実性が大きいといっても、米国経済はなお緩やかな回復を続け、完全雇用にある。グローバル経済の影響を最も受けやすい製造業も後退の領域にはまだ入っていない。何より、株式市場は最高値を更新中だ。FRBの金融政策を巡るゲームのルールが大きく変わった可能性がある。

     結論を先に言うと、「投資家資本主義の時代」に突入し、継続的な株安を社会が容認しなくなった。単にトランプ大統領が株高を求めて緩和プレッシャーを強めている、という話ではない。

     マーケットがFRBのパフォーマンスを監視し、リアルタイムで評価を下す。株価の継続的下落は、完全雇用を損なう誤った政策への警告と受け止められる。本来、重要な評価は歴史の審判だけのはずだが、FRBは市場からのリアルタイムの評価にもはやあらがえない。政策当局者すら市場への追随を余儀なくされるのが「投資家資本主義の時代」である。

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