山田監督公認「寅さん」=野口寅次郎・物まね漫談家/757
有料記事
元サラリーマンのお笑い芸人、野口さん。国民的人気映画「男はつらいよ」の主人公、フーテンの寅さんを演じた渥美清さん亡き後も、葛飾・柴又帝釈天の参道で観光客を楽しませている。
(聞き手=大宮知信・ジャーナリスト)
「物まねより寅さんの持つ“空気”が大事」
「明るくお節介を焼きながら、人の心を和ませる。寅さんの心を伝えていきたいね」
── 「フーテンの寅さん」の故郷、葛飾柴又が昨年2月、都内で初めて国の重要文化的景観に選ばれました。4月には「葛飾柴又寅さん記念館」もリニューアルして記念イベントが行われるなど、寅さん人気は健在です。
野口 葛飾柴又がこんなことになるとは思いませんでした。もともと、僕の声帯模写のネタの中に寅さんがあったんです。ところが、渥美清さんが1996年に亡くなった後、渥美さんを悼んで柴又に大勢の人が来てるという話を聞いて、僕も供養のつもりで黄色いジャケットを着て、帽子を被って参道を歩いた。そうしたら、わっと人が集まって、中には泣いているおばさんもいた。それで町の人と一緒に募金活動を始めて、柴又駅前に寅さんの銅像を設置しました。それが柴又ガイドを始めるきっかけになったんです。
残り4273文字(全文4770文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める