週刊エコノミスト Online書評

『創発型責任経営 新しいつながりの経営モデル』 評者・加護野忠男

著者 國部克彦(神戸大学副学長)、西谷公孝(神戸大学教授)、北田皓嗣(法政大学准教授)、安藤光展(一般社団法人CSRコミュニケーション協会代表理事) 日本経済新聞出版社 1800円

社会的責任果たす企業経営 理論と実例両面で詳述

 これまで経験したことのない異常気象が頻発しているのは、地球温暖化のせいではないかと考える人が増えている。このような状況では、国や国際機関が定めた環境基準に従うだけでは不十分で、企業が積極的に動く必要があるのではないかと考える企業人も増えている。誰かに強制されたわけでもないのにCSR経営(社会的責任を果たす経営)を実践する日本企業が増えているのはその証左である。著者たちは、このような動きを「創発型責任経営」と呼んで理論化し、それをさらに拡大・高度化しようとしている。

 本書は三つの部分から構成されている。最初は、創発的責任経営の基礎となる理論を解説した部分(第1章から第3章)である。

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