加藤結花/種市房子
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編集部から
アニメ映画「この世界の片隅に」が8月、NHKで地上波初放送された。たとえ良い作品でも、何度も見るのはしんどい映画というのがあると思うが、私にとっては同作がそれだ。太平洋戦争中の市民の生活を描いた「この世界…」は、日常の物語が優しく心癒やされるものだからこそ、戦争の理不尽さが際立つ。
私自身が映画の舞台と同じ広島県呉市の出身なので見覚えのある街の風景や方言により敏感になってしまっている部分もあるのだろう。クーラーの利いた部屋で見ても、見終える頃にはじっとりと汗をかいてしまう。
残酷な物語だが、日常のシーンはくすりと笑えて癒やされる。特に、主人公すずの声優を務めた女優のんさんの声は、人懐っこい印象のすずにぴったりで可愛らしい。今年の夏は帰省できなかったので、すずさんの方言を聞きながら平和とふるさとに思いをはせた。
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週刊エコノミスト
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