週刊エコノミスト Online 不動産コンサル長嶋修の一棟両断
過疎化で消滅するベッドタウン/12
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不動産の価値とは何よりも「立地」だ。1億円の豪邸でも、誰も買わない、あるいは借りない立地にあればそれは実質的に「価値ゼロ」だが、古くなった建物でも立地さえ良ければ、再生や建て替えによって新たな価値を生み出すことが可能だ。
昨今、駅から求められる距離は「徒歩7分以内」。持ち家、賃貸ともこれを超えると急速にニーズが減退する。5年前なら徒歩10分でも許容されていたが、いまやマンションデベロッパーも8分を超える用地にはあまり手を出さない。
都心部では駅近ではあるが、専有面積わずか9平方メートルといった賃貸住宅が人気だ。昨今の単身者は、車はもちろんテレビも持たず、家に人を招くわけでもなく料理もしない、コーヒーを飲みたいなら近くのカフェでという人が増えている。駅から遠い20平方メートルよりも駅近の9平方メートルを選好するわけだ。
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