週刊エコノミスト Online書評

練達の訳者しかできないモンテーニュの入門書=本村凌二

    19世紀末に出たH・G・ウェルズ『タイム・マシン』は、過去にも未来にも時間を自由に行き来できるという夢を広げた。定めなき未来はともかく、歴史をさかのぼって時空を自由に往来できたらと望む者には、モンテーニュ『エセー』はおあつらえむきの古典である。

     この名著を“積ん読”だけで終わらせないように、宮下志朗『モンテーニュ 人生を旅するための7章』(岩波新書、840円)は古典の魅力を伝えるべく筆を進める。

     モンテーニュは「もっとも傑出した男たちについて」、詩聖ホメロス、アレクサンドロス大王とともに、古代ギリシアのテーバイの政治家エパメイノンダスを挙げている。彼は、レウクトラの戦い(前371年)でスパルタを破った将軍でもある。享受してもよい「豊かさ」を拒み、「極貧のうちにとどまり続けた」ことのうちに徳の姿を見ているらしい。

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