週刊エコノミスト Online書評

アメリカ トランプ時代にヒット、明るい退役軍人の自伝=冷泉彰彦

 トランプ政権が登場すると、大統領の政治姿勢を持ち上げる賛成派や、逆に厳しい批判や暴露を中心とした反対派による「トランプ本」が数多く出版された。だが、トランプを支持する保守派というのは、トランプ派である以前に、やはり「アメリカの保守派」である。そのことを象徴するような退役軍人の自伝が売れている。

 書名は “Thank You for My Service” という。タイトルからして、かなりひねりが効いている。このフレーズはもちろん、“Thank you for your service.” から来ている。つまり軍人や退役軍人に対して「あなたの軍役における貢献に感謝します」という意味だ。だが、著者のマット・ベストは「自分の軍役に対してありがとう」という一種のパロディーにしている。

 含意としては「兵役に行った自分は偉い」とか「兵役のおかげでサクセスした」というような意味だが、要するに退役軍人の伝記でありながら、PTSD(心的外傷後ストレス障害)や戦争への疑問などは皆無、ただひたすら「軍隊はすごかった」という自慢話が主となっている。

残り476文字(全文946文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

2月14日号

どうする?どうなる?日銀大検証16 岸田政権「インフレ抑制」へ 10年ぶり総裁交代で緩和修正 ■浜田 健太郎19 インタビュー 軽部謙介 帝京大学教授・ジャーナリスト 日銀が甘くみた内閣の力 「安倍1強」に内部ひょう変21 「 ガラパゴス」日銀 市場機能をマヒさせた「看守」 低金利慣れの財政に大打撃 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事