金融庁、3年定期異動にメス 狙いは地域のプロ育成=浪川攻/25
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2、3年のサイクルでの人事異動が銀行の慣行となってきた。これは、顧客との癒着による不正を防止する観点から、監督官庁が監督指針などで求めてきたものだ。しかし、率直に言って、それはあまりにも前時代的な発想だ。そこで、金融庁は今年8月に公表した2019事務年度(19年7月~20年6月)の「金融行政のこれまでの実践と今後の方針」(従来の「金融行政方針」)で、地域金融機関の項目にこの問題を盛り込んだ。「人事ローテーション等に関する規定の見直し」である。
この定期異動制度は思いのほか、銀行に根を張っている。人事制度の根幹をなしていると言っても過言ではない。「3年ごとの定期異動がジョブローテーションとキャリアパスとなって昇格制度の中枢に位置付けられている」(中堅地銀)と言われるほどである。したがって、「人事ローテーション等に関する規定の見直し」と言っても、即座に対応できない銀行が少なくないと思われる。
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週刊エコノミスト
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