アメリカン・エキスプレス（アメックス）はクレジットカード業界で世界を代表するブランドの一つである。利用者数では世界全体で１億１０００万人を超えており、これはビザとマスターカードと中国のユニオンペイに次いで世界６強の一角である（２０１８年、米民間調査ネルソン・リポート調査）。

　アメックスは収入の高い顧客に重点を置いており、18年の１人当たりの平均利用金額は同業他社の３倍以上である。アメックスが高額消費で使われる場合が多いためだ。利用率が最も高いのがレストランと旅行関係で金額全体の35％を占め、次いでエンターテインメントの25％となっている。一方スーパーマーケットや食品では３％と低い。

　消費者にとりアメックスの最大の問題点は、使える店が少なめであること。18年３月の英紙『フィナンシャル・タイムズ』（ＦＴ）の報道によると、米国内でアメックスを使える店舗数はビザやマスターカードに比べて１３０万件少ないという。アメックスの加盟店手数料が高めであることが影響している。