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退職世帯が消費を抑制 高齢化が消費増税を阻む=山口範大

    (注)1997年:95年平均=100、2014年:12年平均=100、19年;17年平均=100 (出所)明治安田生命
    (注)1997年:95年平均=100、2014年:12年平均=100、19年;17年平均=100 (出所)明治安田生命

     10月の10%への消費増税が迫ってきた。前回増税時の2014年には増税実施後、個人消費が大きく落ち込んだことが記憶に新しい。増税前後の個人消費の動向について、総務省「家計調査」で前々回増税時の1997年と比較すると、14年には増税前に大きな駆け込み需要が発生し、増税後の反動減も大きかった(図)。

     加えて、97年には増税から3カ月後には消費が元の水準に回帰したのに対し、14年には、長期にわたり消費の低迷が続いた。これほど大きな差は、単に増税幅の違い(97年は2%ポイント、14年は3%ポイント)だけでは説明できないように思われる。そこで、14年増税後の消費低迷について、個人消費の理論と実証分析の結果から考察してみた。

     マクロ経済理論からは、消費増税が個人消費に与える影響について、複数の経路が考えられる。まず、現在の増税は必ず将来の減税を伴うとするリカーディアンな見地からは、増税が実施された場合、家計は同時に将来の減税を織り込み、消費を変化させないと考えられる。

     もっとも現実世界では、リカーディアンな家計は少数派との見方が優勢である。日本の財政事情を考えれば、将来減税が実施されるとは考えにくい。家計がリカーディアンでないならば、消費増税は消費の変動要因となる。

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