退職世帯が消費を抑制 高齢化が消費増税を阻む=山口範大
有料記事
10月の10%への消費増税が迫ってきた。前回増税時の2014年には増税実施後、個人消費が大きく落ち込んだことが記憶に新しい。増税前後の個人消費の動向について、総務省「家計調査」で前々回増税時の1997年と比較すると、14年には増税前に大きな駆け込み需要が発生し、増税後の反動減も大きかった(図)。
加えて、97年には増税から3カ月後には消費が元の水準に回帰したのに対し、14年には、長期にわたり消費の低迷が続いた。これほど大きな差は、単に増税幅の違い(97年は2%ポイント、14年は3%ポイント)だけでは説明できないように思われる。そこで、14年増税後の消費低迷について、個人消費の理論と実証分析の結果から考察してみた。
残り2304文字(全文2615文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める