週刊エコノミスト Online 2040年の社会保障を考える
地域保険シフトに備え消費税「10%後」の議論を=山崎泰彦
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2018年11月20日、財務省の財政制度等審議会は平成最後の予算編成に関する「建議」の総論において、平成の税財政運営を振り返り、「財政健全化どころか一段と財政を悪化させてしまった平成という時代における過ちを二度と繰り返すことがあってはならず、手をこまねくことは許されない」と厳しく総括した。
財政審によれば、債務残高の累増要因の約7割(地方交付税等による補填(ほてん)部分を含めれば約8割)は社会保障関係費の増加と税収の減少による。この財政の悪化の最大の要因は、日本の社会保障制度が「受益と負担の対応関係が明確な社会保険方式を基本」としながらも、「現実には保険料より公費(国や自治体の支出)への依存が増しており、しかも本来税財源により賄われるべき公費について、特例公債(赤字国債)を通じて将来世代へ負担が先送りされているため、受益と負担の対応関係が断ち切られている」ことだという。
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