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地域保険シフトに備え消費税「10%後」の議論を=山崎泰彦

    「10%後」の消費増税議論が求められている(7月31日、経済財政諮問会議で発言する安倍首相)
    「10%後」の消費増税議論が求められている(7月31日、経済財政諮問会議で発言する安倍首相)

     2018年11月20日、財務省の財政制度等審議会は平成最後の予算編成に関する「建議」の総論において、平成の税財政運営を振り返り、「財政健全化どころか一段と財政を悪化させてしまった平成という時代における過ちを二度と繰り返すことがあってはならず、手をこまねくことは許されない」と厳しく総括した。

     財政審によれば、債務残高の累増要因の約7割(地方交付税等による補填(ほてん)部分を含めれば約8割)は社会保障関係費の増加と税収の減少による。この財政の悪化の最大の要因は、日本の社会保障制度が「受益と負担の対応関係が明確な社会保険方式を基本」としながらも、「現実には保険料より公費(国や自治体の支出)への依存が増しており、しかも本来税財源により賄われるべき公費について、特例公債(赤字国債)を通じて将来世代へ負担が先送りされているため、受益と負担の対応関係が断ち切られている」ことだという。

     財政審が言う通り、日本の社会保障制度は社会保険方式を基本に置き、医療に始まり、年金、失業、労働災害、今では介護まで、社会保険方式により運営している。

     社会保険方式には、(1)「自立自助」と「社会連帯」の調和を図り、支え合いのシステムとして現代社会に適合的、(2)拠出と給付の間に個人ベースで牽連性(けんれんせい)(つながり)があることから、拠出意欲・財政規律を確保しやすく、財政の安定性を確保しやすい、(3)拠出に伴う権利として受給権が確保されるため権利性が強い、などの意義がある。

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