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週刊エコノミスト Online 東奔政走

遠のいた「ポスト安倍」の禅譲 “チャレンジ”なき岸田氏の求心力=高塚保

一度も総裁選に立候補したことがない岸田文雄氏〈左から2人目、首相官邸で9月4日)
一度も総裁選に立候補したことがない岸田文雄氏〈左から2人目、首相官邸で9月4日)

 安倍晋三首相は8月30日、自民党政調会長で岸田派を率いる岸田文雄氏と官邸で会談した。9月11日に行う内閣改造・自民党役員人事では、「ポスト安倍」候補の岸田氏の処遇が焦点となっていた。

「派閥が持ちません」

 岸田氏は席上、「幹事長にしてもらいたい。そうでなければ派閥が持ちません」と処遇を求めた。温厚な岸田氏としては思い切った発言だったが、関係者によると、首相は「いろいろ考えています」と明言を避けたという。

 首相は岸田氏への禅譲を考えているとされる。岸田氏を党総裁に次ぐナンバー2の幹事長に登用すれば、岸田氏への禅譲路線が明確になる。一方で、安倍政権の骨格を支える二階俊博幹事長を交代させれば、政権の権力構造に変化が生じ、これまで安定していた基盤を揺るがしかねない。

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