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原発事故 トリチウムを海に出すな 野崎哲 福島県漁業協同組合連合会会長

 放射性物質を海洋放出したら福島県の漁業は再生困難になる。国は責任をもって対処すべきだと訴える。

(聞き手=浜田健太郎・編集部)

 東京電力福島第1原発から出る汚染水に含まれる放射性トリチウムの海洋放出には、漁業者として反対している。切実な影響が避けられないからだ。

 全面休業に追い込まれた福島沖の漁業は、7年前に試験操業を再開。水揚げ高は震災前の16%にとどまっているものの、2魚種を除きすべての魚種で出荷が解禁となっている。1魚種当たり1検体以上、放射線量を調べて出荷している。福島県内だけでなく首都圏や仙台でも販売が再開している。

 福島産への風評は障害だったが、この3年間くらいでコウナゴやシラスは震災前と同レベルに販売が回復してきた。全国的に品薄な魚種については、福島産でも東京の築地、豊洲でも抵抗なく受け入れられるようになってきたところだ。

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