週刊エコノミスト Online2019年の経営者

編集長インタビュー 高津敏明 ニチバン社長

    高津敏明氏(Photo 武市公孝:東京都文京区の本社で)
    高津敏明氏(Photo 武市公孝:東京都文京区の本社で)

     Interviewer 藤枝克治(本誌編集長)

    高津 セロテープに使うセロハンの原材料はパルプで、天然素材でできています。現在、脱プラスチックが話題になっているので、自然にやさしいことをアピールしています。

    高津 例えば「直線美」というテープカッターを発売しました。従来のテープカッターはテープの切り口がギザギザでしたが、直線美は真っすぐな切り口になるため、見栄えがきれいで好評です。また、特殊な形状の刃で、けがもしにくくなっています。

    高津 いろんな産業向けの工業用途があり、マスキングテープや包装用テープ、生産ラインで使うテープがあります。また、食品を束ねるテープも手掛けています。

    高津 メディカルも一般消費者向け製品と、医療用の二つの分野があります。現在メディカル事業は全体の売り上げの45%まで上がっており、救急ばんそうこう「ケアリーヴ」と消炎鎮痛剤「ロイヒつぼ膏(こう)」が数年で大きく伸びたのが要因です。特にロイヒつぼ膏は、インバウンド向け商材として成長しています。

    高津 もともと福岡、九州で売れていて、韓国から来た人がお土産で買っていきました。韓国や中国をターゲットに宣伝を強化したら、「お土産に買って帰るべき商品」として話題になって、口コミやSNS(交流サイト)で広がり、さらに売り上げが伸びました。

    高津 直径2・8センチの小さな丸い形状で、ツボに貼ります。温感湿布なので、お灸(きゅう)の文化に合っていて、複数枚を同時に貼って効果を高めることも容易です。即効性があることなどが大変好評です。ただ、韓国の人がたくさん買っているので、現在の日韓関係の影響が出始めていて心配しています。

    高津 ウレタン素材を使ったやわらかくて通気性に優れた肌にやさしいばんそうこうです。競合を追いつき追い越せでやってきて、国内ナンバーワンになりました。現在は傷口から出る体液(浸出液)の働きによって治す「ケアリーヴ 治す力」でも、競合に追いつけるように注力しています。

    高津 日本サッカー協会などとテーピングを広める取り組みを進めています。テーピングテープは、従来はけがをした後で巻いて症状を抑えるために使っていましたが、けがをする前に巻くことで、予防になります。

     また、日常生活や高齢者にも役立ちます。例えばハイキングなどに行く際に足にテーピングテープを巻くだけで、けがの予防になりますし、疲れにくくなる。そうした使い方も啓蒙(けいもう)していきたいと思っています。

    残り1374文字(全文2402文字)

    週刊エコノミスト

    週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
    有料会員になると、続きをお読みいただけます。

    ・会員限定の有料記事が読み放題
    ・1989年からの誌面掲載記事検索
    ・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

    通常価格 月額2,040円(税込)

    週刊エコノミスト最新号のご案内

    週刊エコノミスト最新号

    7月14日号

    コロナが迫る 非接触ビジネス第1部16 「脱3密」に勝機あり リアル×ネットで株価急騰 ■白鳥達哉/種市房子19 インタビュー 鈴木康弘 日本オムニチャネル協会会長、デジタルシフトウェーブ社長 「ネット起点に、実店舗を運営」20  諸富徹 京都大学大学院 経済学研究科教授 「脱炭素社会への契機にも」 [目次を見る]

    デジタル紙面ビューアーで読む

    おすすめ情報

    最新の注目記事

    ザ・マーケット