吉脇丈志/室林圭
有料記事
編集部から
この夏、母の実家の畳と障子を全て張り替えた。代々農家を営む田の字形の一軒家で費用もそれなりにかかったようだ。
でもいま、この家に住む人は誰もいない。90になった祖母は認知症が進み、介護施設に入っている。祖父は5年前に既に他界した。つまりは空き家のリフォームである。母は「きれいな家で最期を迎えさせたいから」と言う。
いずれ空き家になるのに、とつい思ってしまったが「そういうことではない」らしい。祖母は生まれてから町を出ることなく、人生をずっとその家で過ごしてきた。母が言うことも分からなくはない。
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週刊エコノミスト
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