週刊エコノミスト Online 書評

『クロード・シャノン 情報時代を発明した男』 評者・高橋克秀

著者 ジミー・ソニ(編集者、ジャーナリスト) ロブ・グッドマン(元スピーチライター) 訳者 小坂恵理 筑摩書房2500円

デジタル時代の礎を築いた天才数学者の本格評伝

 クロード・シャノン教授は情報理論の創始者であり、デジタル革命の生みの親である。シャノンの意味での情報とは、ある状況下における不確実性の量を減少させる働きをするものである。

 シャノンは1985年に第1回の京都賞(稲盛和夫氏が創設。科学や技術、思想・芸術への貢献者に贈られる)を受賞した。情報理論という新しい数学を生み出し、情報伝達の科学性を浮き彫りにし、今日にいたる情報技術の発展の基礎を確立したことが授賞理由である。この栄光に包まれた科学者の評伝には二通りの読み方があるだろう。エンジニアなど理工系の素養がある読者には、シャノン理論を学説史的に確認するために役に立つだろ…

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