週刊エコノミスト Online学者が斬る・視点争点

「消費増税で財政健全化」に疑問=塚崎公義

     しかし、こうした国の主張は妥当性を欠くと考える。

     まず、(2)の「財政の信認低下による金利上昇」から見ていくと、これは実際の長期国債の利回りの推移を見れば妥当とは言えない。

     理論上は確かに、財政赤字を問題視した人々が「国債は危険だから売ろう」と考え、売り注文が殺到し、国債価格が暴落(金利は高騰)する可能性がある。実際、財政破綻の危機にあったギリシャの国債は金利が一時40%を超えた。

     しかし、現在の日本の国債はマイナス金利に沈んでいる。その第一の理由は、国の財政状況が財政破綻リスクを懸念するほど悪くはないということだ。財務省は、日本政府の債務残高/GDP比が足元で230%台と他の先進7カ国に比べて高いことを問題視しているが、これは日本政府の“バランスシートの右側”つまり「負債」しか見ていない。

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