「農と食の連携」が根付くには=金藤正直
有料記事
コーディネーターの役割が鍵に
日本では2005年以降、地域の農業と食品産業が連携して、新たな製品の開発や販路開拓、地域ブランドの創出などを行うことで、地域再生を目指していく取り組みが始まった。それは、食料産業クラスター(フードバレー)、農商工連携、地域資源を活用し新たな付加価値を生み出す「6次産業化」であり、農商工連携の取り組み件数や6次産業化の事業計画の認定件数は毎年増え続けている。
例えば、北海道の「フードバレーとかち」は、帯広市を中心に十勝の19市町村が連携し、各地の農産物や農産物を使った加工品の国内外への販路拡大に取り組んでいる。静岡県富士宮市は「フードバレー構想」を掲げ、市を挙げて「食」のまちづくりを進める。青森県板柳町では、町が100%出資する「りんごワーク研究所」が生でもおいしく食べられる良質のリンゴを農家から買い取り、ジュースやジャム、ドレッシングなどに製品化し…
残り2448文字(全文2842文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める