「ノルマ」をうまく使うには=石田潤一郎
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多数の目でオープンな評価を
先日発覚したかんぽ生命の不適切契約問題は、多くの人に衝撃を与えた。直接の引き金となったのは、郵便局員に課せられた過剰なノルマだ。不正行為自体はもちろん褒められたものではないが、過剰な報酬や罰則が不適切な行動を引き起こす事例はこれまでにも多く知られており、我々の身の回りでも起こるありふれた問題である。
この問題の背景には、契約者が自分に必要な商品が分からないという金融業の特殊性がある。こうした特性のため、金融商品の販売員は「契約を勝ち取る」ことと「正しい情報を提供する」という異なる任務を果たすことが期待される。しかし、この正しい情報を提供するという任務と、契約数を増やすという目標とはしばしば相反する。
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週刊エコノミスト
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