デンマーク、特定地域に移民集中=倉地真太郎
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周辺地域と分断、地域間格差も
法務省によれば、2018年6月末時点での在留外国人数は、263万人を超え、過去最高を記録した。望月優大氏が『ふたつの日本』(講談社現代新書)で指摘するように、政府は外国人労働者の受け入れ拡大について、「移民政策ではない」と主張し、新たに在留資格「特定技能」を新設し、あくまで労働者受け入れとしての「外国人政策」を強調してきた。だが、日本で暮らす移民は労働者である前に生活者だ。当然、子どもを産み、育てる世帯もいるし、コミュニティーを築き、地域と交流をする。しかし、移民が集中する都市部の自治体では、言語政策や学校教育の支援体制が不十分であり、一部の地域ではボランティア組織や地域組織に頼らざるを得ない状況にある。移民政策なき移民国家である日本は、今後どのようにして多文化共生社会を築いていけばいいのだろうか。
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週刊エコノミスト
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