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「資産寿命」を延ばし、定年後を乗り切る=野尻哲史

     2007年からフィデリティ退職・投資教育研究所で、「退職」後のための資産形成を中心に啓発活動を行ってきたが、自分の定年が近づくにつれて資産を創り上げる「資産形成」だけでは間に合わない日本の現状を自分に重ね合わせるようになった。そのため、19年4月に60歳定年を迎えて、フィデリティへの継続雇用を選択しながら自分でも「フィンウェル研究所」を設立して「複業」とし、より高齢者にフォーカスした啓発活動に時間を割くことにした。新会社は、「退職者のフィナンシャル・ウェルネスを追求する啓発活動をするための会社」という意味を込め、命名した。

     定年を迎えて資産形成が視野から外れると、資産の減少を許容せざるを得ないことがはっきりし、資産を増やすよりも、あまり無理をしないで持っている資産の寿命を延ばすことが重要なことに気が付いた。

     その点で、次の二つの計算式はその生活を理解し、整理するために非常に重要だ。(1)の等式(図)は、退職後の年間生活費が年間収入と一致することを示している。現役時代は年間の生活費は年間の収入よりも少なく、その余剰分を貯蓄や資産形成に回すことになる。

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