週刊エコノミスト Online闘論席

片山杜秀の闘論席 

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     丘浅次郎という生物学者がいた。明治時代から昭和戦前期にかけて活躍した。ダーウィンの進化論を日本に広めた立役者だった。文明批評家としても知られた。

     その丘が、昭和に入ってから言った。将来、食べ物は遠くからばかり来るようになる。世界の自由貿易が発達し、日本の狭い国土で作る食べ物は、外国品に比べて割高にならざるを得ず、市場から駆逐されてゆくだろう。穀物や缶詰のような長持ちする食べ物に限らない。生鮮食料品もやがてそうなる。冷凍冷蔵の技術が進歩するだろう。保存のための薬品も開発されるだろう。そう遠くない未来、日本人はいつどこで誰が作ったかよく分からない食べ物を多く摂取しているに違いない。

     その結果、どうなるか。丘は怖い予言をした。日本人の滅亡につながるかもしれない。もちろん第1次産業が衰退してしまう。あるいは、大戦争や天変地異で、輸入が止まるかもしれない。そうなったら大飢饉(ききん)だ。

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