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英EU離脱交渉、混迷増す 金融市場はノーディール観測=増谷栄一
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ジョンソン英首相は就任後初めて、9月16、17日、ルクセンブルクで新しい欧州連合(EU)離脱協定の締結を目指し、EU首脳らとの対面交渉に臨んだ。英国、特に政府内でディール(合意)の機運が盛り上がる中、ノーディール(合意なき離脱)観測も依然根強い。英最高裁判所が9月24日、ジョンソン首相が10月13日まで5週間にわたる議会閉会を決定したのは違法と判断したことを受けて議会は再開するが、情勢は一段と混迷している。
英国の金融市場でもノーディール観測が一気に高まった。9月16日のルクセンブルクのベッテル首相との会談後、ジョンソン首相が英国のEU離脱に反対する市民が怒号を上げる中で共同記者会見が行われることを嫌い、急きょ、会見中止を伝えた。だが、ベッテル首相は単独で会見し、隣の空席の演壇をおどけて紹介し、英国メディアから「EUによる計画的な恥辱行為だ」との非難を浴びた。これを機に、ロンドンのポンドの先物取引所…
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週刊エコノミスト
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