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週刊エコノミスト Online 書評

空間政策の観点で見た豊臣秀吉の天下統一=今谷明

 幼児虐待や京都アニメーションの放火事件など、物騒な殺人事件が頻発している。インバウンド(訪日外国人旅行)の盛行とは逆に、日本の治安は一見悪化しているようにも受け取られかねない。しかし、故堺屋太一氏によれば、日本人の刑務所収容数は数万人にすぎないのに対し、米国人のそれは200万人を超えるという。日米で2桁違うのである。

 このような相違の一端は、周知のように米国が「銃社会」を許されていることに尽きよう。日本も過去、封建制が長く、敵討(かたきうち)公認の慣行から被害者に復讐(ふくしゅう)感情が強く、なかなか死刑廃止に至らないという特徴もある。ただ、日本が銃社会でなかった点が、比較的治安良好の証左であることは疑われない。

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