週刊エコノミスト Online 不動産コンサル長嶋修の一棟両断
常識が一変する住宅の「寿命」/18
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住宅の世界ではこれから面白いことが起きるに違いない。「新築の時にその価値が最も高く、10年で半値、25年程度で価値ゼロ」といったこれまでの常識は覆されることになるだろう。国が現在公表する木造住宅の「寿命」は27年もしくは30年、マンション(鉄筋コンクリート造)は37年としているケースが多いが、そもそも住宅の寿命とは何なのだろうか。
「木造寿命27年」の根拠は、取り壊した住宅の平均築年数であり、実態を反映した数字ではない。次に「木造寿命30年」の根拠。これは現存する住宅戸数を新築戸数で割る「サイクル年数」という概念を用いて、あくまで便宜的に算出したもの。「マンション寿命37年」の根拠も「建て替えが完了したマンションの平均築年数」だ。築年数がさらに経過しても現存するマンションはいくらでもあり、寿命を表したものとは程遠い。
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