週刊エコノミスト Online闘論席

池谷裕二の闘論席

撮影 宮武祐希
撮影 宮武祐希

エボラ出血熱のウイルスが日本にやってくる──。このニュースに不安を覚えるのはSF映画のドタバタ劇になじみすぎているせいかもしれない。ウイルスが届いたのは東京都武蔵村山市にある国立感染症研究所だ。この研究所は日本で唯一、最高危険度の病原体を扱えるバイオセーフティーレベル(BSL)4の施設を持つ。

 来年の東京オリンピックを控え、新たな感染症やバイオテロに備えるために、危険なウイルス5種が基礎研究に使用されることになった。冒頭のエボラウイルスのニュースはこのためだ。今回のウイルス搬入の強行に対して周辺住民からは「オリンピックはただの口実にすぎない」と非難の声も上がっている。

 実際のところオリンピックは単なる契機にすぎない。病原体の封じ込めレベルの高いBSL4施設は約30年以上前に建設されたが、周辺住民の反対により扱える病原体が限られるBSL3での運用を余儀なくされた。この結果、日本のウイルス研究は世界に大きく後れを取った。

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