片山杜秀の闘論席
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ベルリンの壁は、旧ソビエト連邦陣営の東ドイツの首都、東ベルリンと、米国陣営の西ドイツに属する西ベルリンの間を隔てていた。東西冷戦の象徴だった。
その壁が1989年11月9日から10日にかけて機能を喪失した。10日からは実際に壊され始めた。ちょうど30年前のことである。
なぜ、そんなことが起きたのか。同年のクリスマスに行われた壁の崩壊を記念するコンサートで、米国の指揮者レナード・バーンスタインは、ベートーベンの交響曲第9番「合唱付き」を振った。そのとき、バーンスタインは、大詩人シラーによる「第9」の歌詞の一部を大胆に改変した。フロイデ(歓喜)と歌うべきところをフライハイト(自由)に替えた。政治的自由のない共産主義社会は必ず滅びる。アメリカ流の強…
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週刊エコノミスト
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