週刊エコノミスト Onlineワイドインタビュー問答有用

音楽のさすらい人=加藤登紀子 シンガー・ソングライター/766

    「音楽は”さすらい人”。異文化と接触して、いろんな人の心の中に入って変化していくんです」 撮影=佐々木龍
    「音楽は”さすらい人”。異文化と接触して、いろんな人の心の中に入って変化していくんです」 撮影=佐々木龍

    日本シャンソンコンクールに優勝して以来、55年に及ぶ歌手人生は波瀾(はらん)万丈。シャンソンをはじめ日本の歌謡曲、世界の愛唱歌などさまざまなジャンルの音楽を手がけ、75歳の今もコンサートやレコーディングなど忙しい日々を送る。

    (聞き手=大宮知信・ジャーナリスト)

    加藤 このCDには本当に大事なものばかりを入れました。ポピュラーな曲から、あまり知られていない曲まで収録しています。集大成というより、「こんな歌もあったのか」と思ってほしい曲もあり、そういう意味では入門編です。それと、今までたくさんの“あなた”と出会う度に歌を作ってきた。そんな思いも込めました。

    加藤 いいえ。私の両親であり、夫(藤本敏夫氏)であり、いま目の前にいるあなた(インタビュアー)であり、観客の一人のあなたでもある。歌うということは、そういうあなたに歌を捧げることであって、誰にと限定しているわけではありません。ただ、一つのテーマがハッキリ見えた時には、限定された“あなた”が浮かび上がることもありますけど。

    加藤 私はシャンソン歌手でよかったんですが、それなら「銀巴里(ぎんぱり)」(銀座にあったシャンソンのライブハウス)で歌っていればいい、と。周囲はやっぱりレコードを出してヒットさせなきゃというわけで、歌謡曲の歌手になった。

     ところが、あなたは東大を出ているんだから何か曲を書きなさいとか、せっかく新人賞を取ったんだからテレビに出なさいとか、ニューヨークのカーネギーホールでコンサートをやりなさいとか、私の歌を聞いた『ニューヨーク・タイムズ』紙の記者が「この人はフランスのシャントゥーズ(歌姫)のような声だね」と新聞に書いてくれたのをきっかけに、パリでコンサートをやることになったり、いろいろなことがつながって、何か「わらし…

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