週刊エコノミスト Online書評

『エッセンシャル金融ジェロントロジー 高齢者の暮らし・健康・資産を考える』 評者・柳川範之

編者 駒村康平(慶応義塾大学教授) 慶応義塾大学出版会 3000円

医学、心理学等の知見含め超高齢社会の資産運用検討

 金融ジェロントロジーという言葉は、まだなじみがない人もいるかもしれない。金融老年学とも訳されるもので、高齢化が進んでいる中、近年注目が集まっている学問分野だ。

 人生100年時代と言われ、高寿命化が進み、年金問題が話題になったように、いかに高齢になっても、十分な消費生活ができるようにするかは多くの人にとって関心事だ。

 その一方で、残念ながら高齢になればなるほど、認知機能の低下も起きやすくなる。そのため、高齢者は、どのような資産運用、資産管理をすれば良いのか判断が難しくなってくる。当事者だけでなく、金融機関にとっても、どのような資産運用をどんな形で勧めれば良いかが悩ましい問題になってくる。

残り814文字(全文1168文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事