週刊エコノミスト Online書評

今後警戒するべきは右傾化より分極化=井上寿一

     リベラル勢力は安倍(晋三)長期政権下で日本の「右傾化」が進んでいると批判する。本当だろうか。考える手がかりを求めて、塚田穂高編著『徹底検証 日本の右傾化』(筑摩選書、1800円)を読む。多様な分野の専門家による共著の本書は、「右傾化」しているか否かに評価の強弱があるものの、いくつかの有益な知見を提供している。なかでも安倍政権の支持母体である日本会議の影響力を客観的に分析している論考が注目される。別の言い方をすれば、陰謀史観では日本政治の現状を正確に分析することはできないだろう。

     次に田辺俊介編著『日本人は右傾化したのか』(勁草書房、3000円)の議論が注目に値する。本書は2009、13、17年に実施した三つの社会調査のデータ分析に基づく共同研究の成果である。

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