中国 「偉大な闘争」に驚き、中国の読書界=辻康吾
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10月1日、北京での壮大な軍事パレードをはじめ中国各地で中華人民共和国成立70周年を祝う各種の行事が行われた。出版界もその例にもれず、建国70周年における共産党治世の成果を列挙し、習近平総書記をたたえる多様な書籍が大量に出版されている。そのはしりとも言える一冊、『偉大闘争 与新時代共産党人的使命担当』(赫永平ら著、人民出版社、2019年5月)を入手した。というのも9月、習近平総書記自身が幹部教育の党学校での講演で「闘争」という言葉を58回も繰り返す激烈な演説を行い、その後も「偉大な闘争」というスローガンが国内各地で掲げられ、海外メディアを含め注目されていたからであった。
この「偉大な闘争」の目標を要約するなら「共産党員の原則、社会主義制度を堅持」し、「国家の主権・安全・発展を脅かすもの」「国家の核心的利益を脅かすもの」「中華民族の偉大な復興を脅かすもの」との断固たる闘争と勝利を収めることなどとされている。
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週刊エコノミスト
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