チャイナウオッチ アジア最大の政府系ファンド 外資との連携を強めるわけ=岸田英明
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「強みは背後に中国市場を持つことだ」。政府系ファンドの中国投資有限責任公司(CIC)の彭純董事長は9月、北京市内で開いた年度報告会見で、伸びる中国市場をてこに保有資産の価値を高めていく狙いを示した。
CICは外貨準備を原資に2007年9月に設立され、18年末の総資産は9406億ドル(約100兆円)。政府が出資する投資ファンドの中では、ノルウェー政府年金基金に次ぐ規模だ。総資産のうち約2500億ドルが海外資産と見られる。18年は株安などで海外投資のリターンが前年の17・5%からマイナス2・3%に減り、ファンド全体の純利益は前年比37・2%減の650億ドルにとどまった。
CICの18年末の海外資産保有比率は、株式38・3%、債券15・2%、オルタナティブ投資(ヘッジファンドやインフラ、不動産、未公開株など)44・1%、現金2・4%。前年比で株式は5・3%減り、オルタナ資産は4・8%増えている。株式は米国株が5割強、その他の先進国株が3割強を占めた。彭董事長は会見で「18年の主要株式市場(のパフォーマンス)は過去10年で最悪だった」と指摘し、弱含みな株式に替え、オ…
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週刊エコノミスト
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