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チャイナウオッチ 海外ブランドを“爆買い” アパレル企業の躍進とひずみ=岩下祐一

深圳歌力思服が中国で運営するドイツ発の高級レディース「ローレル」(筆者撮影)
深圳歌力思服が中国で運営するドイツ発の高級レディース「ローレル」(筆者撮影)

 中国のアパレル企業による海外ブランドの買収やライセンス展開が、ここ数年増えている。昨年までは、地元メディアが“買買買(爆買い)”と揶揄(やゆ)するほどの勢いだった。

 爆買いの筆頭は、山東如意グループ。この3年間で40億ドル(約4400億円)強を投じ、英高級ブランド「アクアスキュータム」や、香港上場で「ダーバン」など高級紳士服ブランドを扱う利邦(トリニティー)、スイスの高級ブランド「バリー」などを傘下に収めた。計30ブランド超、世界6000店強を運営し、「中国版LVMH(モエヘネシー・ルイヴィトン)グループを目指している」(地元メディア)と言われている。

 祖業は紡績で、「利益率の向上を長く課題としてきた」(同社に出資する伊藤忠商事関係者)。“川下”であるブランド運営に積極進出する狙いは利益率向上と、素材から製品、小売りの一貫展開によるシナジー発揮とみられる。

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