週刊エコノミスト Onlineチャイナウオッチ 中国視窓

チャイナウオッチ “永久債”発行容認で自己資本を拡充する銀行=神宮健

5月に公的管理化に置かれた内モンゴルの包商銀行。銀行を巡る環境は厳しい(Bloomberg)
5月に公的管理化に置かれた内モンゴルの包商銀行。銀行を巡る環境は厳しい(Bloomberg)

 中国の商業銀行が自己資本の補充に動いている。商業銀行全体の自己資本比率は14・12%(2019年6月末)で、自己資本比率規制の必要水準10・5%(システム上重要な銀行は11・5%)を大きく上回っているものの、足元で実体経済、特に中小企業への貸し出し増加を求められる一方、自己資本やその源泉である利益を巡る環境が厳しくなっている。

 第一に、金融リスクの抑制・解消を目指す金融当局の政策がある。18年以降、90日以上延滞の貸し出しを不良債権に分類することが徹底された。これまで厳格化が遅れていた中小銀行を中心に不良債権が増え、それに伴って貸し倒れ引当金や不良債権償却も増加。利益や自己資本の圧迫要因となっている。今後は債券など、貸し出し以外の資産の不良債権認定も厳格化される方向にある。

残り977文字(全文1319文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事