覇権狙うデジタル人民元 ブロックチェーンで“統制”も=金子秀敏
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中国の習近平国家主席が、仮想通貨(暗号資産)に使われている暗号技術「ブロックチェーン(分散型台帳)」を「新たな技術革新の突破口」と位置づけた。また、ブロックチェーン技術をデジタル決済などのフィンテック領域に限らず、年金、健康保険、雇用、環境保護など行政全般に「総合応用」する「ブロックチェーン・プラス」の促進を命じた。ブロックチェーンによる国家統治へ踏み出すという宣言にほかならない。
米国ではフェイスブックが開発した仮想通貨「リブラ」に対して議会が厳しい規制を主張し、運用の開始が遅れている。習主席の発言はそれと対照的な動きで、中国の金融専門家の間からはデジタル人民元の発行が近いのではないかという観測が上がっている。
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週刊エコノミスト
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