週刊エコノミスト Online編集後記

桑子かつ代/市川明代

編集部から

 久しぶりに映画館で邦画を見た。「蜜蜂と遠雷」。世界を目指す若きピアニストたちの国内ピアノコンクールのストーリーだ。演奏者、指揮者やピアノ修理職人、コンサートホールのマネジャーなどさまざまな職業の人たちのピアノへの思いが伝わるいい映画だった。

 印象に残ったシーンの一つが、海岸でピアニストたちがはしゃいで歩きながら、砂の上に足跡を残す場面だった。自分たちの後に続く足跡をみてモーツァルトの曲だとうれしそうに話している。だが、その中の一人で家庭を持つ会社勤めのピアニストはそれが楽譜として理解できず、自分との圧倒的な違いを認識させられていた。

 スポーツや音楽で感動すると自分もやってみたくなるが、なかなか先は遠い。大人になって再開したピアノ教室で、私もいつかショパンを弾ける日が来るんだと思いながら楽譜読みに四苦八苦している。

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