週刊エコノミスト Online書評

『電源防衛戦争』『コンテナ物語』『急に具合が悪くなる』『作曲の科学』

『電源防衛戦争』 田中聡著 亜紀書房 1800円

 戦後の9電力会社誕生から初の原子力発電所導入まで、現在の電力供給体制の礎が確立した時代を新聞報道など膨大な資料から振り返った異色の書。電力事業の分割民営化を求める占領軍と戦前の国家独占体制を維持したい政治家・官僚の激しい攻防。発電所建設をめぐる利権争奪戦。常に業界をリードし「電力の鬼」と呼ばれた松永安左エ門ら強烈な個性の持ち主たちが見せる人間模様は実に生臭く、関西電力の金品受領問題のルーツを感じさせる。(W)

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