ファッション ZOZO低迷の真相 世界観伝える場失い同質化 避けられない市場縮小=藤原裕之
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国内アパレル業界は長期にわたって深刻な不振が続いている。衣料品市場はこの30年近くの間に3割以上縮小し、購入単価(婦人服)は半分以下になった(図1)。大手アパレルメーカーの大量閉店など、業界の不振を伝えるニュースには事欠かない。
そうした中、唯一明るい話題を提供してきたのがアパレル電子商取引(EC)サイト大手のZOZOだ。その同社が今年9月、ソフトバンク子会社のヤフーに買収された。ZOZOの業績低迷の背景に一体何があるのか。アパレル業界に今後どのような影響が及ぶのか。これを理解するには、まずZOZOと出店ブランドの間に起こった変化について知っておく必要がある。そこからアパレル業界が抱える課題の本質が浮かび上がってくるからだ。
ファッション市場は主に、(1)海外トップブランドを中心とするラグジュアリー市場、(2)総合アパレルやセレクトショップに代表されるトレンド市場、(3)流行を取り入れながら低価格に抑えたファストファッション市場、の三つに分類される。近年の業界の低迷は、このうち「トレンド市場」の不振を反映したものと言っていい。
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週刊エコノミスト
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