テクノロジーエコノミストリポート

ゲノム編集食品 「痕跡」残らぬ技術に虚偽の恐れ=塚谷裕一

ゲノム編集を使った大豆の畑(米ミネソタ州)(Bloomberg)
ゲノム編集を使った大豆の畑(米ミネソタ州)(Bloomberg)

 この10月、ゲノム編集によって作られた食品の届け出制度が始まった。これを機に、ゲノム編集食品がすぐにも出回ると報じられているが、果たしてどうか。そもそもゲノム編集と、すでに食品に応用されている遺伝子組み換えは何が違うのか。そのあたりは十分解説されていないようだ。潜在的な経済効果の大きなこの技術については、より正確な情報提供が必要である。

 まずゲノム編集と遺伝子組み換えの違いに触れよう。多くの報道では、両者は別ものであるかのように解説しているが、これは誤解を招く説明である。遺伝子の正体がDNAという化学物質であることが判明して以来、世界中でDNAの配列を操作しようと、工夫がなされてきた。遺伝子操作だ。その方法として、これまでさまざまな技術が開発されてきた。

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