北條一浩/桐山友一
有料記事
◇編集部から
気づいたことがある。各出版社から献本していただく本に、分厚い本が増えたのだ。世間では、手軽に読める本や電子書籍が増え、重い本(あくまで物理的な重量の問題)は忌避されていると思われているだろうが、少なくとも当編集部の最近の書棚を見る限り、それはあたらない。
なぜだろうと考え、ひとまず二つの推測を得た。一つは抵抗。軽くする方向に対し、紙の本ならではの物量で敢然と反旗を翻し、存在感を示す姿勢だ。
もう一つは限定。これだけの質と量の本を読み切ってくれる読者は限られており、その人はどれだけ分厚く、高価でも購入してくれるはずだ、その代わり徹底的に充実させなければならない、ということではないか。 私はそこにある種「闘い」を見る。物価の安い今の日本の中でも本はとりわけ薄利である。
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週刊エコノミスト
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