日本は景気後退には陥っていない=愛宕伸康
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内閣府が今月、景気動向指数の9月の結果を公表した(図1)。基調判断は「悪化」に据え置かれた。3、4月に「悪化」となり、いったん「下げ止まり」に回復したものの、再び2カ月連続で「悪化」となった。過去にこの判断が「悪化」のときに景気が後退していることから、「日本経済はすでに景気後退に陥っている」と見るエコノミストも少なくない。本当なのか、考えてみたい。
日本の景気は「谷」から「山」を拡張(拡大)期、「山」から「谷」を後退期と呼ぶ。「山」と「谷」の日付は「景気基準日付」によって決められる。景気基準日付は、景気の現状を示す一致指数の各採用系列から作られる「ヒストリカルDI」を基に設定される。景気動向指数研究会での議論を踏まえ、経済社会総合研究所長が決定する。ちなみに直近の「山」は2012年3月、「谷」は同年11月であり、このまま景気後退にならなけれ…
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週刊エコノミスト
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