増税前駆け込み需要は前回の4割=斎藤太郎
2019年7〜9月期の国内総生産(GDP)統計では、消費増税前の駆け込み需要を主因として個人消費が前期比0・4%の増加となったが、前回の消費増税前(14年1〜3月期)の同2・0%を大きく下回った。
現時点では、データの制約などから消費増税前の駆け込み需要の正確な規模を把握することは困難だが、簡便的な方法で駆け込み需要の大きさを試算した。家計消費支出(耐久財、半耐久財、非耐久財)について、消費税率引き上げの半年前までのデータをもとに、HPフィルターと呼ばれる手法でトレンドだけを抽出し、それを上回る部分を駆け込み需要とした。
こうして求めた今回の駆け込み需要は、家計消費支出全体で0・9兆円(19年4〜6月期、7〜9月期の合計)となった。形態別では耐久財が0・6兆円、半耐久財が0・2兆円、非耐久財が0・1兆円だった。前回の消費増税前は家計消費支出全体で2・2兆円、耐久財が1・2兆円、半耐久財が0・8兆円、非耐久財が0・3兆円(図1)となっている。
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週刊エコノミスト
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