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弊害見え始めた米国低金利=渡辺浩志

 米国の10年国債利回りは、昨秋の3・2%をピークに低下し、この8月には一時1・5%を割り込んだ。足元では1・9%前後まで戻したが、4%台の名目経済成長率に比べるとまだ大分低い。

 昨今は、トランプ政策の不確実性を背景に市場の「不安心理」や「金融緩和期待」が高まり、こうした捉えどころのないものによって米金利は押し下げられてきた。そのため景気の現状とは不釣り合いな低金利が生じ、これがいま米国内の投資行動を刺激し始めている。事実、最近では金利に敏感な住宅投資の回復が目に付く。

 米国では住宅販売の9割が中古だ。米国人は中古住宅を購入し、リフォームで価値を高め、価格が上がれば転売する。米国人にとって住宅は文字通り「投資」の対象であり、その意思決定ではリターンとコストが重視される。

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