週刊エコノミスト Online 不動産コンサル長嶋修の一棟両断
いいなりの大規模修繕は数億円のムダ/23
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マンションの長期修繕計画は一般的に12年目・24年目・36年目というように12年サイクルで大規模修繕工事が予定されることが多い。しかし実際に大規模修繕を行うかどうかは建物の劣化状況次第であり、必ずしも12年ごとに行う必要はない。
なぜ多くのマンションで長期修繕計画のサイクルが12年となっているのか。それは「改修によるマンションの再生手法に関するマニュアル」(国土交通省)の中に、大規模修繕時期の目安として「12年目・24年目・36年目程度」といった概念図が示されているのを、多くの売り主や管理会社が踏襲しているからだ。
管理会社の中には、この12年のサイクルこそが、大規模修繕時期の到来であるというトーンで、工事の実施を促すところがある。これは顧客である管理組合の意向を問わず、工事受注のノルマを達成しなければならない管理会社の都合に他ならない。
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