三菱日立合弁のタイ贈賄事件 司法取引で背景解明が難しく=北島純
有料記事
東京地裁は今年9月13日、共謀してタイの公務員に賄賂を贈ったとして不正競争防止法(外国公務員への贈賄)違反に問われていた、三菱日立パワーシステムズ(MHPS)の元取締役常務執行役員兼エンジニアリング本部長A氏に対し、懲役1年6月執行猶予3年の有罪判決を言い渡した。この事件は、2018年6月に施行された日本版司法取引が最初に適用されたケースとして注目されていた。
MHPSは東京地検特捜部の捜査・公判に協力する見返りとして法人としての起訴を免れ、贈賄工作を「謀議」したとされたMHPS中枢の幹部3人だけが起訴された。このうち同社元執行役員兼調達総括部長B氏と調達総括部ロジスティック元部長C氏は起訴事実を認め、3月1日に言い渡された東京地裁の有罪判決が確定しているが、A氏だけが謀議への加担を否認し、無罪を主張していた。
残り3966文字(全文4327文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める