教養・歴史書評

『日本経済のマクロ分析 低温経済のパズルを解く』 評者・小峰隆夫

著者 鶴光太郎(慶応義塾大学大学院教授) 前田佐恵子(内閣府大臣官房人事課企画官) 村田啓子(首都大学東京教授) 日本経済新聞出版社 3000円

日本経済の課題を一望 充実の「民間版経済白書」

 マクロ経済の動きに関心を持つ人にとっての必読文献が登場した。

 ここ二、三十年の日本経済は、バブルの生成と崩壊、リーマン・ショック、人口減少などに直面し、デフレ、潜在成長率の低下など経験したことのないようなマクロ経済パフォーマンスの変化に見舞われてきた。その中で、これまでの経済常識では説明できないパズルが生じている。

「景気と労働需給の関係の分断(景気の動向と関係なく労働需給がひっ迫してきた)」「景気・労働需給と賃金・物価の関係の分断(労働需給がひっ迫しているのに賃金・物価が上がらない)」「景気と設備投資の関係の弱まり(景気上昇に設備投資が反応しない)」「勤労・若年者層と高齢者層で異なる貯蓄率の動き(前者で貯蓄率は横ばいかやや上昇、後者で大幅に低下)」などである。いずれも日本経済が現在進行形で直面しているパズル…

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